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宇和島パールカップ2012 その④手を離せば……。 [ヨット]

夫は、ナナハンライダーだった。
愛車は「Z2」。(今は車庫で眠っている。)
その後ろに乗っていたときのことを 突然思い出した。
手を離せば振り落とされる……その緊張感を。

    ……………

さて、しらさぎに挨拶した後、オリンパスはキャビンにしまい込んだ。
古いコンデジをライフジャケットにくくりつけ、両手を空ける。
帽子は風で飛ばないように深くかぶる。

そして、自分の位置を決める。
やはりスタンのパルピットにへばりついているのが無難だろう。
ヘルムの邪魔にならないように気をつけていよう……。

そうやって、何とかカメラのシャッターを押す。
いつもは無駄に無駄を重ねるくらいの枚数を撮るが、今日は全くその余裕はない。

まだスタート前。     IMG_7404s.jpg

スタートは、けっこうしっかりタイミングを計ったように見えた。
でも、遅れていた。慎重になりすぎたと夫は言う。

今回数枚しか撮れなかったレースの写真。でも、この一枚は好き。
スタート直後の一瞬。IMG_7405s.jpg

そして、この一枚も。IMG_7406s.jpg

波に打たれながら走る「上り」。
ヨットは、おそろしく傾いている。
こんな傾きで、いったいどのくらいの時間走り続けなくてはならないのだろう。
IMG_7407s.jpg

それでもクルーは自分の持ち分を守る。
IMG_7409s.jpg
こんな日に、何もできない自分がここにいることを激しく後悔し始めていた。

タックの時、恐ろしい勢いと音でブームが位置を変える。
私は合図を聞くと、ヘルムをまたぎ振り落とされないように反対側に移動する。
と同時に船が傾きを変える。

とうとう何度か吹き飛ばされそうになった帽子をとって、
コックピットの床の後ろ隅に投げ捨てた。
手を離すわけにはいかない。離せば振り落とされる。

………

このときの「上り」の様子を撮った動画がYouTubeにアップされていた。
高知の方のようだ。
その画面にCHIHAYAの走る姿が大きく映っていた。
懸命に、懸命に走る姿だった。

                                 ……ここまで書いて息が切れちゃった。続く。
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