佐伯市長杯クルーザーレース２０１３⑤今年も「ドラマチック佐伯」。

ＣＨＩＨＡＹＡは帰りの回航中である。
葛港を出たのが１３：１０頃。

すでに海上にいて３時間。
何をするでもなくカメラを抱えて、マストの下バウハッチの上で前方を見ている。
そのうち正面からあたる風を冷たく感じるようになってきた。
たたんだジブを風よけにする。



……１６：２５　無垢島を通り過ぎた頃である。

夫が「風の具合がいいから、メインを揚げよう。」と言う。
夫がスライダーを付けながらマストの下でメンハリを引っ張り、私がウインチを回す。
バサッと顔にあたるセールを払いのけるようにウインチを巻く。

セールが大方　揚がったとき、
夫が声を上げた。

「ああっ、イルカ！！」

ヨットの前方を指さしている。


前方、東側の海面から津久見方面に向かって跳ねるイルカ！！
「うそっ。」と言いたくなるが、本当である。
今年もイルカに会えたのだ！


揚がりかけのセールは放っておいて、
カメラをひっつかむとバウに跳んでいく。

最初、写真におさめようとするが上手くいかない。
焦ってしまって、
海面に出るイルカの動きとシャッターを押すタイミングが合わない。
ああ、通り過ぎてしまう！！



とっさにカメラを「動画」に切り替えた。

なんと、通り過ぎると思ったイルカの群れは、
ＣＨＩＨＡＹＡの周りにいて、ＣＨＩＨＡＹＡと並んで泳ぎ始めたのだ。
というよりヨットと一緒に遊んでいる、遊んでいるのだ。
この歓喜を何と表現しよう。

では、動画スタート！！会話が恥ずかしいので音量は下げておいてください(^0^;)




（本編より番外編が先に出るのも変だけれど、夫に頼み込んでこの部分だけ先にＵＰしてもらった。）

撮影に夢中で下ばかり見ていたが、
気がつけば大きな群れで、その辺の海面いっぱいにイルカが跳ねていた。
大きな船も一隻いたが、やはりイルカの群れを眺めていたのではないだろうか。




……時間にすれば５分ほどだったろうか。
イルカたちは、何か合図があったかのように一斉に方向を変えると
船の後方に去り、あっという間に西の方へと消えていった。


海は静かになったけれど、心の中のうねりはいつまでも消えることがなかった。






……旅の終わりがちかづいている。
別府湾に入る。前を行く小春。……お疲れ様でした。



雲間に突然現れた夕陽。



何ともドラマチックな旅の終わり。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ……「ドラマチック佐伯２０１３」終わり

コメント 14

すごいすごい！
最高のプレゼントでしたね！
楽しませていただきました！

醒め遣らぬ微睡みの中にイルカ飛び
コック長一句
お粗末！


by コック長 (2013-08-05 02:54) 

いや～ほんとに凄い！！
いい回航でしたね＼(^o^)／
宇和島でもたまに見ますが、ここまで一緒に泳いだのは２度くらいしかありません。
by ケース家 (2013-08-05 06:22) 

ああ、やっぱりそのことだったんですね。
実は私たちもあの群れに遊んでもらえました。おそらくチハヤさんの少し前で。
感動しちゃったんで、仕事のブログに書かせてもらいました。
http://www3.coara.or.jp/~makoty/als/drdiary/2013diary.htm
たまに群れを見ることはありますけど、あんなに遊んでくれることは
滅多にないですよね。
by Daisy (2013-08-05 07:49) 

お～　凄いですね。
イルカの群れに会うなんて、羨ましいです。

同じ大分県でも、県南と県北では海の豊かさが違いますね。

by 中津のビール飲み (2013-08-05 08:46) 

＞コック長様

そのうち映像をもっとよいのに差し替えますね。
そうすればイルカたちの姿がもっとよく見えると思います。

いるか跳ねヨットに弾む声の満つ
あし遅きヨットを翻弄するイルカ　　　

挑戦してみました。いかがでしょうか。
(句作もご趣味だったんですか？)



＞ケース家様

はい。本当によい２日間でした。
最後は恥ずかしいくらいのはしゃぎようです。

天草のイルカ観覧船よりすごかったです。

これだから遠征はおもしろい……。



＞Ｄａｉｓｙ様

Ｄａｉｓｙと小春も会えたのかな……と夫と話していたんですよ。
やはり会えたんですね。
本当に感動しました。

海の神様に捧げちゃったんですね、携帯。
悪いとは思いましたが、思わず誰かを思い出してにやり……。



＞中津のビール飲み様

はい。また、今年も会えて最高でした。興奮しました。

臼杵湾や佐伯湾ではよく目撃されているそうです。
「漁師さんは、アレが来ると迷惑なんだよ～。」と
釣りが趣味の方が教えてくださいました。
でも、豊の海は豊かだという証拠だね……とも話していました。
中津の海でも会えるとよいですね。




by ちはやママ (2013-08-05 18:36) 

私達も佐伯の帰りに日振島でイルカの群れと遭遇しました。
今度、このようなチャンスがあればバウバースで寝転がってみてください。
イルカのキュー、キューという鳴き声が聞こえますよ。
by ほわいとほーく (2013-08-05 19:29) 

すごいな～、いいな～
うらやましい限りです。
つまらないことをチマチマしないで、遊びたい。
by 疾風 (2013-08-05 20:07) 

＞ほわいとほーく様

そうそう、あのとき鳴き声がときどき聞こえていました。

次にイルカと出会ったときは、カメラは捨てて、
存分にイルカたちの遊びにつきあいたいと思います。

ＣＨＩＨＡＹＡはバウのところが物置ですが、
そこで聞いて海面下の声や気配を聞き取りたいと思います。
佐伯や宇和島に行けば、また会えるかもしれないと思うと
楽しみがまた増えました。


＞疾風様

疾風さんがすっきりした気持ちでヨットに乗れる日が早く来ることを
心から祈っています。

疾風さん、私はこの頃「豊かさ」ということをよく考えます。

先日訪れた観光地にはきらびやかなモノと人があふれていました。
歴史的な建物もたくさんありましたが、
写真を撮る気にはなれませんでした。
　　　(風無や葛港の朽ちたロープの方がずっと魅力的だ……。)
こんな場所じゃなくて、
あの疾風さんのヨット上の写真のように、
笑顔がはじける豊かな場所を
私たちはどのくらい残せるのでしょうね。


by ちはやママ (2013-08-05 21:58) 

わあ、本当にスゴーイ！！！
イルカの話はたくさん聞いたことがあるけれど、本当にあんな風についてくるのですね。イルカは本当に賢いのでしょうねえ。それにきれいですね。
一度でいいから、実際にこの目に見てみたいなあ。
by reiko (2013-08-05 23:12) 

＞ｒｅｉｋｏ様

恥ずかしいくらいの「すごい」の連発。
でも、それしか言えなかったんですよ。

もっと他に言葉はないのか！！って思われたかもしれませんが。

泳ぎ回る姿は、そう、「きれい」がぴったり。

宇和島に行くときは出会えるチャンスがありそうですよ。
あの海域は漁場としてもすばらしくて、
イルカたちにはよいところらしいです。


by ちはやママ (2013-08-05 23:31) 

感動の体験ですね。

うらやましい限りです。

子どもの時は、家のすぐ前までイルカや鯨が入ってきていましたが、もう３０年イルカを見ていません。

だんだんで見れるといいな(^o^)
by なんかん (2013-08-06 06:09) 

＞なんかん様

家のすぐ近くで鯨やイルカを見たという思い出をお持ちだということも
うらやましい限りです。

グーグルアースで宇和島や佐伯が面した海域をよく見ます。
ここは、本当に豊かな海域なのですね。

海からの視点を人生の中で得たことは、
本当に幸せだったと思います。
by ちはやママ (2013-08-06 18:16) 

遅くなりましたが・・・
残念ながら、小春は遭えませんでした。
私は関が反潮maxだったので、ー何ノットだろう？何処に反流が有るかな？など、回航でも最短時間で走ることしか考えて無く、雑念ばかりだったので、イルカに遭えなかったのだろうと思います。
ですが、こんな私でもイルカにも遭遇した事が有りますがそれを見たときに、私が思ったのは、漁師さんは大変だな漁場を荒らされてと思いました。少しひねくれてますね私。
それから、sｈarkの背びれも見たことがあります。
まあ、長いこと海に出ていると色々な事に遭遇します。
by 小春 (2013-08-10 21:22) 

＞小春様

コメントをありがとうございます。
そして、佐伯のレース、お疲れ様でした。

あの日の帰りは逆潮で大変でしたね。
別府湾に入ってからは、また変な波が続きました。

イルカのお食事風景を見た方も、
「あれはすごいですよー。魚は何にもいなくなるみたいですよ。」と
話していました。それを聞いて、そうだろうな……と。

背びれがすーっと通り過ぎるのは
観覧船の上から見たことがありますが、ヨットからはご辞退したいです。

また、次の機会もよろしくお願いします！！
by ちはやママ (2013-08-10 22:50)