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「殿様、どこを通ったの?」岡藩参勤交代の道③ [歴史探訪]

岡藩の殿様が参勤交代の時、
竹田のどこから出ていったのか……を探りながら
竹田の町をほっつき歩いている。


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人の多そうな中心部ではなく、岡城周辺の人気のないところ。
「今日会ったのは……。」と、すれ違った人を覚えているくらいだから、
ホントに人に会うことが少ない。

あるとき、マスクをしたおばちゃんが家の外にいて、こっちをじっと見たので、
嫌がられてるのかなと思ったら、
「散歩にはいい日だね!」と声を掛けてくれて、ちょっと安心した。


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さて、4月の終わりから5月初めのウォーキングは
殿様が「峠越えルート」で参勤交代に行くときの
竹田からの「出口」を探ってきた。これは岡藩の殿様の初期のルートだ。

資料では、「七里口」「赤坂」の二カ所が候補として挙げられている。

※『大分県文化財調査報告書 「歴史の道」調査報告書  岡城路  大分県教育委員会』
 昭和54年から56年の調査報告


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4月27日は、「七里口」方面を探索。


事前に、夫が資料を片手に、「ストリートビュー」で旧道の目星をつける。
……ストリートビューは役に立つなあ。



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で、写真は七里口とおぼしき道の入り口。
岡城の北、古刹が並ぶ稲葉川沿いの道から山手に入り込む。

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狭い谷間だが、古い石垣が閑静な雰囲気を作り出している。
緑色の空間にウグイスの声が響き渡る。


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へえ!こんな静かな、感じの良い場所があったんだ!!
こんなところに住んでる人って羨ましい。
この先は小さなトンネルがあって、竹田市役所方面につながっている。

……ストリートビュー撮影車は、こんな細い道まで入ってる。
  




(地図上では竹田森林事務所近くの細い道)


  



ゆるやかな坂道を登って、この先はトンネルがあるなんて話していたら、
急に左側の山の斜面を夫が指さした。(ストリートビューでも何となくわかる。)
と、もうそこをどんどん登っていく。こらこら。


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「私有地じゃないの?」
だれかのお宅の裏山って感じの場所なのに。
それでなくても外からの人間は警戒されてるこの時期に、
そんなところを登っていって、叱られないかな?とは思うのだけれど、
夫は遠慮無しにずいずい登っていくので、
しかたなくついていく。


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夫が坂道の途中で待っている。



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思わず「あらまあ、これ、旧道だわ。」
遠慮してたら見つけられなかった。


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この辺りでよく見られる旧道の風景!
阿蘇火砕流堆積物の岩盤をうがって、その下に側溝を掘ってある道!


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                                これは城北町の旧道。


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                                これは岡城跡



この、狭いところを這い上るような場所に昔の道!



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丘を登って下ると七里と呼ばれる地域に出た。


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左の道を下りてきた。


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明るく開けた場所だ。



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稲葉川の氾濫を避けて作られた市役所や法務局、小学校などがある丘陵地帯で、
新しくてオシャレな家が並ぶ。
ここらは竹田の新しい中心地になっている。


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ここから北の峠越えルート(県道47号方面)につながっていると想像できる。


しかし、確かに旧道ではあるが、本当に殿様の行列がここを通ったのかなあ?
地元の人にでも会えたら聞けるんだけど。……聞けそうな人には全く出会わないのだった。





5月4日には、資料にある「赤坂」の峠道を歩いた。



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JR竹田駅の下手から、赤坂隧道を通らずに国道57号線に抜ける峠道だ。



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一度、車で通り抜けた。
夫は昔、仕事でこの道を通ったことがあるが、私は初めてで、
あまりに狭い斜面の坂道に夫が車を入れるので肝を冷やした。
Googleの撮影車も、ちゃんと通っているんだけど。


ゆっくり歩いてみると、この道も旧道の様を呈していた。


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谷間から岡城方向を眺める。


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細い坂道ではあるが、人家も多く、難なく峠越えルートの途上に出た。
私たちは、57号線を横切り、県道47号線を少し北に向かって歩き、
資料にのこる参勤交代道路の地名を確認した。


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うん、岡城からならこの出口から行くのがいいんじゃないの?


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後日、天明7年(1787年)の古い竹田の地図が手に入った。

岡城を中心に、実に様々な道が描かれている。
重要な道は太線で書かれ、そうでもなさそうな道は細い線で書かれている。

赤坂峠を越える道は太かった。
七里の峠越えはあまり太くない。

殿様が岡城の大手門を出て、どこをどう歩いたかはわからないが、
赤坂の峠を越えて北方向に向かい、山を越え、肥後街道と合流する
というルートがいちばん動きやすいように感じた。

……撮影車が通れてるってわけじゃないけど。


いずれ、竹田市歴史文化館・由学館が開館したら研究成果を確認しにいくつもり。



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実際に旧道をたどって歩いてみると、
今の車社会の概念を全く捨てないとダメだってことがわかった。 
まず、トンネルってものもないしね。
でも、人が通れそうな道がどこにでもつなげられていて、
昔の人は歩いて、歩いて、歩いて、道を切り拓いていた。

その道の多くは今は藪に埋もれている。
私たちが見た、ちょっとした痕跡もほどなく、消えていくんだろうな。


ダイエットと頭の体操を兼ねてのウォーキングは
ネタと写真ばかり貯まって、記事にするのが追いつかない。
……でも、まとまったら記事にしますので、よろしかったらおつきあいください。


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コメント 4

萬木寛次

健康的なお二人ですね。
空気が綺麗で、人に逢わずに体力を付ける。
長湯温泉の標識を見て、周りから丸見えの露天風呂に入った事を思い出します。
誰か?有名な作家さんが長逗留していたとか?
大分、熊本巡りにには、いつになったら行けるのでしょうか?
by 萬木寛次 (2020-05-10 13:00) 

ちはやママ

>萬木寛次様

健康的な毎日が送れることに感謝をしています。
社会に迷惑をかけぬよう、感染には注意を払っていますが、
「密」な状態にならないのが幸せなことだと思っています。

久住には川端康成が逗留していました。
ゆかりの「千羽鶴」のお酒は美味しいですよ。

早くこの状態が落ち着いて、
お招きしていろんなところをご案内したいです。
どうか、それまで奥様とお元気にお過ごしくださいね!!
by ちはやママ (2020-05-10 19:29) 

ケース家

マニアックな道ネタですね。
体力もついて地元愛も高まる散歩は最高です。

こちらはコロナが出てない事もありかなり緩んできてます。
食堂も開いてるし車の通行量も普段並みになってきました。
散歩を怪しむ人は居ませんね('-^*)/
by ケース家 (2020-05-12 07:19) 

ちはやママ

>ケース家様

道歩きはけっこう楽しいもんですね。
岡城周辺ダイエット、おもしろくて、しかも成果が出ました。
1月にはとても悪かった夫の数値が
昨日の検査で全て改善!!\(^O^)/

……地元の町は今、田植え準備で、
働いているみなさんの傍を通るのが申し訳ないので、
結局昨日も岡城をゆっくり回ってきました。
岡城周辺ダイエット、しばらく続きそうです。

by ちはやママ (2020-05-12 13:41) 

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