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別府湯けむりヨットレース2017⑥無風の時間 [ヨット]

まだ漂っている。

第一マークを過ぎたあたりは全くの無風。


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打つ手はなし……といった風情?

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どのヨットも何とかこの窮地を脱しようと工夫していたと思う。
そのとき、
急にワイワイと賑やかな声が後ろから聞こえてきた。


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東の方向から小さいボードを漕いでくる集団。
なに?あれは?

スタンドアップパドルサーフィン(SUP)というマリンスポーツだということを
後で知った。


楽しげに漕いでいく。


この無風の中では
レーサーだってかなわないのである。


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賑やかに漕いで通り過ぎ、
そして、ヨットは置き去りにされた。


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引っ張ってほしいと思ったのは私だけだろうか。


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……そんな中でLongLongがスピンを上げるとぐいぐい動き出した。


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後ろからの微風を捉えようと
どんどんスピンが上がって
じりじりとヨットの一団がが進み出した。


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そのときSUPのグループは
はるか遠くに去っていた。



……微風の時間が続く。


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ちょっとスピードが出たかな?
「今日の最高速度。」とか何とか言って
みんなで笑っている。

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ホテルの右下辺りに次のマークがある。
先行艇はすでに回ったようだった。


マークに迫る角度は各艇それぞれ。
どのヨットの読みがよかったのか……。


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ジャイブも何度かした。
角度の調整、修正、また調整。


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だんだん艇速が上がってきた。


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第二マークに向かって、右から左からヨットが迫る。
艇上の動きが慌ただしくなってきた。


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「マークの側は混み合うな。」とN浦さんがつぶやいた。


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