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河童の話 [ふるさと]

川の話題が続きます。
川の写真を見ていたら、祖父から聞いた河童の話を思い出しました。

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祖父から話を聞いたのは
もうずっとずっと昔のことになりますが、
ふと記憶の底から湧いてきました。


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……祖父は話し好きな人でした。
漢籍に詳しく、「資治通鑑」等を片手に
嫉妬に狂った中国のコワイ皇后様の話などを面白がって聞かせてくれましたが、
地元に残る話もよく語ってくれました。


そのひとつに河童の話があります。


「河童が悪さをするので捕らえた。
命乞いをするので千年は人をとるなと言って川に返した。
そして、川のほとりに『これより千年』と書いた石碑を建てた。
河童はそれを見る度、まだ千年にならないのだと川に帰っていく……」


「河童は夏には川にいて、相撲をとろうと子どもを誘う。
秋になると山に入ってセコになる。風の強い夜にセコが鳴く。」


「川に行くときは、ご仏飯のお下がりを食べていくと河童にとられない。
ご仏飯を子どもが食べると、河童には子どもの目が光って見えるから
怖がって近寄らない。」


……もっと聞いたような気がするのですが、
もう 具体的な内容は記憶から消え去ろうとしています。
町史など記録に残された話とは少し違っているかもしれません。


幾筋も川が流れる谷間の町ですから、
子どもが川に流されることは多くあったのでしょう。
河童伝説が多くあっても不思議ではありません。
私の両親は、子どもだけでは決して川に行かせませんでした。


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川に近づけまいとする両親と祖父の河童の話が相まって
碧色の深い淵には何かしら潜んでいるような気がしたものです。
だから、私は子どもの頃の川遊びの思い出は意外と少ないし、
泳ぎも下手。


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それに比べて夫の家族は川遊びをよくしたようです。
川に潜ることも流れに乗って泳ぐことも
夫は得意だったそうです。
もちろん、魚釣りも。
夫の母が川に近いところで川とともに育ったからなのでしょう。


同じ町に育ちながら、ずいぶん違うものだと
妙に感心してしまいます。

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コメント 4

コック長

こどもの頃母から河童の話を聞きました
母は祖父から聞いたようです
人を騙す話や人に騙される話でした
かわうそや狸や狐が人を騙す話もしてくれました
街の子でそんな川もないしかわうそは勿論、狸や狐も想像上の動物でした
確かに動物園にはいたのですがお話の中の狸や狐とはどこか結びつきませんでした
こんど孫に話てやろうかな
by コック長 (2016-07-11 22:13) 

ちはやママ

>コック長様

読んだ話ではなく聞いた話というのが味わい深いと思います。
語る人によって少しずつ形が違ってくるのも
おもしろいですね。
コック長さんがお孫さんに話すのを想像するのは楽しいです。
語り口が目に浮かんできそう……。
by ちはやママ (2016-07-11 23:08) 

ケース家

宇和島は大きな川がないので河童の話はありません。
その代わり「お盆を過ぎたら海で泳ぐな、海坊主にさらわれる」と言うのが定番でしたね。
経験的にお盆過ぎて台風が沖にできると大きなうねりが起きて、泳いだら波にさらわれると言うことなんでしょうけど。
いろんな言い伝えは昔の人の経験則に基づいた教育なんですね。
by ケース家 (2016-07-12 17:06) 

ちはやママ

>ケース家

この記事を書くとき、
「海には海の話があるのだろうねえ、海には何がいるのだろう。」
なんて夫と話していました。
海坊主も河童も
子どもをとるコワイ存在として
逆に子どもを守ってきたわけですね。
言い伝えは大事に伝えたいですね。
by ちはやママ (2016-07-13 04:07) 

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