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猫、家出する。 [猫]

9月1日 日曜日、夫は小戸のヨットレースに出場する5396の加勢にでかけた。


ここで普通なら、ヨットレースの聞き取りをして、記事にするところなのだけど、
実は、わが家ではそれどころではない事態が生じていた。





1日の早朝、小戸に向かうために、夫が家を出たのがAM3:30。
そのとき、猫のハナが一緒に外に出た。
私も起きて、引き出しの片付けなどしていたのだが、
明るくなってもハナが帰って来ない。


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ハナは、今まで明るいうちは家の敷地から出なかった。
夜4~5時間パトロールに出かけるけれど、
帰ってこないなんてことは今までに一度もなかった。


さあ、大変である。


日曜はお母ちゃんはデイサービスもお休みなので、
「ハナ、ハナ、ハナ……」と近所を探し回る。
雨でコンクリート道が滑るので、それも気になるのに。

お母ちゃんは、ハナの縄張りのご近所の大工さんの工場に
何度も何度も行っては、
大声で「ハナ、ハナ」と呼んでいる。

雨はひどく降るし、心配は募るばかり。

レース後、夫からの電話があっても
レースの結果より、「ハナがいなくなった!」

(Mオーナー、本当にすみません。)


「夜にならないと動けないだろうから、夜になるのを待ちましょ。」と
お母ちゃんに言っているが、私も何も手に付かない。
無駄にタンスの引き出しの整理などしている。


1日の夜、とうとう帰って来なかった。


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9月2日 月曜日、気分は塞がって何もする気にならない。


車で半径500メートルを回ってみる。
(猫の行動範囲とネットにあって、夫とグーグルマップで確認した。)
猫が道路を歩くとは限らないのにね。


夫が市役所(支所)に行ったついでに、迷子猫のことを聞いたら、
大分市に新設された動物愛護センターのチラシをくれた。


夜の散歩は、夫とご近所を「ハナハナ!」と呼びながら歩いた。
そのとき、
「あ、猫がケンカをしている!」と私。
遠くから、猫がいがみ合っているような声が聞こえたのだ。ハナかも!
その方向に歩いて行って、がっかり。
「イヤア-!」「ヤアアア-!」
大変失礼な話だが、剣道の道場から聞こえる少年たちの
気合いの入ったかけ声であった。


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結局、その夜も音沙汰無し。



9月3日、夫とお母ちゃんは親戚に出かけた。

私は、とうとう動物愛護センターに迷子猫の届けをする。
「お近くの市役所とか、駐在さんに、連絡しておくと情報がもらえますよ。」
とても親切に対応してくださって、ちょっとほっとした。


その電話のちょっと後に、偶然、ホントに偶然、駐在さんが現れた。
夫に別の用事で来たのだけれど、私は、
「猫がいないんです。」
駐在さんは、親切に猫の特徴をメモして帰って行った。


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午後、再び猫探しの散歩に出る。
ふだんは全く通らないような裏道を歩いてみる。
近くの工事現場や古いハウスや空き家の周辺などをウロウロ。


その散歩道で出会った顔見知りの人たちに、
「猫がいなくなってね……。」と立ち話。情報提供をお願いする。


夕ご飯時は、あまりにお母ちゃんが猫のことを心配するので、
ご飯も喉に通らなくなってしまった。
それでケンカも始まる始末である。

ハナを愛している娘に何と連絡しようかと
娘の嘆きを思うと、それも胃が痛い。


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元の職場で猫好きの女同士で、「猫LINEグループ」を結成していたのだが、
「猫がいなくなった。」と嘆く私に、
あふれるような温かい励ましのコメントが続々。


「うちのこは、何日かいないことがよくありますよ。」
「長いときは二ヶ月くらいいませんでした。」
「雄猫はよくありますよ。」



何だかいろいろ疲れ果てて眠りについた3日の夜。
この二晩、眠りも浅い状態。


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日付が変わって4日のAM3:30。

「あ!」


私は布団から飛び出すと、すっ飛んで裏口に向かいましたがな。

帰ってきましたよ、すんごい声で鳴きながら帰ってきましたよ。
家の中に入れたときは、声もかすれてしまって……。

家の中はハナのダミ声とお母ちゃんの歓喜の声で
まあ、賑やかいこと賑やかいこと。


ハナは、ひとしきり甘えて、すごい勢いで餌にありついて、
そのあとは死んだように寝ていた。


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こうやって事件の顛末を書いていると
ホントにバカみたい。

こんなに猫の心配で落ち着かないなんてことはなかった……。
仕事をしていたときは猫より気になることがいっぱいあったしね。

「猫ってこんなもんよね。」
と、今は何だか憑きものが落ちたような気分になっている。


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一年前のハナ



ハナがわが家に来てから一年と三か月、
ハナが「癒やし」の仕事をきちんとしていることを証明し、
もはや大事な家族になったことを実感した事件だった。


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一年前のハナ




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