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南阿蘇の小さなホテル「野ばらINN」 [旅]

この冬は、あちこち痛い痛いと言い続けていたような気がします。
これまで腰痛などには無縁だったこともあり、
ちょっとどこかが痛いと気分もふさぎがちな、そんな冬でした。


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痛み止めが必要なくなってきて、気力がもどってくると、
動き回る範囲も広くなってきます。
5月の風が心地よい日に
南阿蘇の小さなホテルに出かけました。


「南阿蘇 野ばらINN」    https://nobarainn.net/

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もう三十五年以上も昔のことですが、
私は学生時代に一度、夫と結婚してから二度、訪れたことがあります。

1979年創業のペンションで、
当時のオーナーご夫妻のあたたかなおもてなしが
とてもステキだったことを覚えています。
最近は海の方に行くことが多かったので、山のホテルに行くことは少なくなっていました。



アルバムに写真がありました。

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2016年熊本地震のとき、大きく崩れた斜面の上に
やっと形をとどめていた「ペンション野ばら」を見たときは
胸がつぶれる思いでした。
ご家族はどうされているだろうと思いつつ
大きな傷跡の残る南阿蘇を通り抜けたのでした。



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そして、五年半。
南阿蘇のその後を記録したテレビ番組で、再び「野ばら」に出会いました。



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かつてのオーナーの息子さんである現オーナーが、
再建を目指してご家族とともに奮闘する姿が映し出されました。
地震から五年半、数多の困難を乗り越えて
かつての場所に美しいホテルが建てられたのでした。
昔訪れたときに、夕食後、ピアノを弾いてくださったお父様も
美味しいパンを焼いてくださったお母様もお元気そうで、
本当によかったと話しながら番組を拝見しました。
最近になって再放送があって、それを見ながら「よし、泊りにいこう。」
すぐに予約を入れました。


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新しい「野ばら」は客室が五つの小さなホテル。


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季節の花々に彩られた瀟洒なホテルは
内装も落ち着いた色合いで
窓から見える南阿蘇の風景と相まって癒しの空間になっていました。
選び抜かれた設備や備品は
使う人の心地よさを追求していると感じました。


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お風呂も眺めがよくて気持ちよくて
身体の芯からリラックスできるのです。

食事もほっとするお味でした。
地域で採れた野菜や果物をふんだんに使ったお料理と
昔ながらのスペアリブが美味しくて、美味しくて……。
ちょっと飲みすぎたかもしれません。
朝食ももちろん美味しかったですよ。


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かつてこの辺りには
「野ばら」を含めて何軒かのペンションがありました。
震災後は「野ばら」だけになってしまいました。
それだけ再建への道は厳しかったということだと思います。

夕食前に散歩しましたが、
雑木の中の庭木がその名残をとどめていました。


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たまたま宿泊客が私たちだけだったこともあり、
オーナーとゆっくり話せたことも幸いでした。
明るい笑顔のオーナーの奥様、
お父様は入院中でしたが、
お母様にも会えてお話しできてよかった……。


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ご家族みんなが笑顔で迎えてくれる小さなホテル。
南阿蘇でお食事を楽しんで、
ゆっくりと過ごすのは至福の時間。


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そうそう、ワンちゃんと一緒に泊まれるお部屋があるんですよ。
「犬が大事な家族になっているあの人に教えてあげようね。」
なんて話しながら食後のコーヒーをいただいたことでした。



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バタバタした日常の忙しさの中に戻っていますが、
「いつか、再び。」と思える場所が
またひとつ増えました。






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