虹

水曜日の夕方。
帰宅途中、車を停めた。

ずっと降っていた雨も止んで
梅雨明けが近いのかなと思わせる風景だった。

それでもパラパラと小雨が顔に当たった。
こんなときはもしかしたら……と思いつつ車に乗った。



しばらく西へ走らせて……。

やっぱり。

また、車を停めた。

そこは谷間の場所で、
雑木林の上に大きく立ち上る虹が見えた。

だんだん色が濃くなっていくようで、
もう少し見通しのよい所から見たくなった。


国道の見晴らしのよいところで
脇道に入って車を停めた。

おお……すごい！

夫に電話をした。
「大きな虹がかかっているよ！」

　　　　　　　　　　　　　　　　　虹には雄と雌があるそうで、
　　　　　　　　　　　　　　　　　内側の濃いのが雄、外側の薄いのが雌だという。




……久しぶりにこんな虹の橋を見た。


西側の空。




夫はカメラで虹を撮るときの注意をいくつか言ってくれたが、
うまく撮れない。
しばらく挑戦したが、あきらめて帰宅することにした。


同じ道すじや
通り道のコンビニの駐車場などで
あきらかに虹を見ている様子の人たちがいた。
みんな　きっと　この大空のドラマを誰かと話したことだろう。



梅雨の晴れ間の夕焼けは美しかった。




……虹は日が暮れてしまうまでずっと空にあった。