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近戸(ちかど)門跡 竹田市 「岡城跡」③ [お城(跡)歩き]

世界中がコロナウイルスの嵐に巻き込まれ、
荒海の中のヨットのように不安と命の危険に翻弄される毎日です。

皆様、お変わりはありませんか?

荒れる海では、「ヨットはかやらん。」と心の中でつぶやきつつ揺れに堪えています。
「かやらん」ことを祈りつつ、注意深く行動し、嵐が去るのを待ちたいと思います。


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……さて、今日も「人混み」とは全く無縁の山城跡の話題を。



私たちが岡城跡に登るとき、よく使うのが城の北側「近戸門跡」へのルートです。
近戸門は、岡城の「通用口」で、家臣や領民の日常的な出入りに使用されていたそうです。


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車を稲葉川沿いの小学校跡に置きます。
ここは、藩校の跡でもあり、明治から平成21年まで小学校がありました。



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小学校跡から門への道を歩き始めるとすぐに、
覆い被さるようなやぶの中に立派な石垣が遺っています。


谷間の集落を通ります。

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「昔は城下の子どもたちにとって、お城近辺は楽しい遊び場だったろうねえ……。」
などと話しながら歩いたのですが、
その子どもたちの中に、滝廉太郎少年もいたわけです。
彼は明治25年から二年三か月、竹田市に住んでいました。


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今の中学生くらいの廉太郎少年が
学校裏から近戸門への坂を駆け上がり、城跡で遊び、
それが名曲「荒城の月」につながったと云われています。



廉太郎少年も通った道です。何だか明治が「近く」に感じられます。



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最初にここを通ったのは2月の曇った寒い日でした。


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古い石垣です。どんな人たちがどんな生活を送っていたのでしょうか。


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ひと月ちょっとで緑がどんどん濃くなっていきました。

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私が、近くの高校に通っていた頃、学校林の下草刈り作業が年に一度あり、
この道を通ったことがあった……ような気がしますが、記憶は定かではありません。



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七曲がりと呼ばれるつづら折れの急坂、これがきつい、きつい。
ダイエットウォーキングにはもってこいです。
けっこうな高さを一気に登るのですから。

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登ってきた谷間を見下ろすと……。
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小学校跡から直接近戸門を目指す人はほとんどいないと思います。

料金所から大手門へ向かうのが普通の観光ルートです。
大手門に向かわず、料金所から近戸門の方向を目指すこともできます。

近戸門の下は、大手門とはまた違った趣の風景を見ることができます。


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谷間はすっかり緑に包まれました。

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近戸門跡に登りついたとき、その威容に驚く人は多いでしょう。


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私は登りついたときに見る阿蘇山と竹田の城下の風景が大好きです。
廉太郎少年もきっと眺めたことでしょう。


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ここも興味が尽きない場所です。
こんなふうに遊びながら歩き回るのです。


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「是より内 たいまつともす㕝(こと) くわえきせる 堅停止(かたくちょうじ)」
……つまり、火事になりそうなことはするな。



門の傍の楓は、秋にはきっと見事な色になるのでしょう。秋も楽しみです。


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今日は近戸門跡にポイントを絞りました。

4日にも岡城跡を5.7キロメートル歩きました。
次に近戸門ルートを通るときは、
雑草に埋もれてるんじゃないかとちょっと心配です。


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さて、「荒城の月」の歌詞は、土井晩翠が仙台の青葉城などをイメージしたものですが、
曲は、滝廉太郎が岡城から着想を得たと云われています。


廉太郎少年が遊んだ頃は、明治の初めに壊された建物の瓦礫の山で、
今よりずっと「昔の光 いまいずこ」と感じたのではないでしょうか。

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「荒城の月」は私たちにとって郷愁を感じさせる曲なのですが、
ただ、岡城下の国道(竹田方面車線)を車が通る度、
メロディー舗装で「荒城の月」が谷間にわんわん響くのは
私は、あんまり……。



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