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竹田の城下を歩こう③墓石の短歌 [街歩き]

2月17日、吹雪の後の西の丸です。
強い風が吹いています。


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雪雲が騎牟礼城の背後に近づいて、おかげで古城がくっきり。


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話題を円の中、唐橋君山先生のお墓がある竹林に戻しましょう。


墓碑銘が写真に上手く撮れていない、
記事にしようとしたら写真の構図が悪い……とか何とかで、
この記事をアップするまでに4回も通った私たちです。


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最初は「え?ここ?」というような竹藪をくぐって行ったのですが、
きちんとした道もあって、そこは散策にはもってこいの道なのです。

佐藤義美記念館そばの駐車場から大正公園に登る道を使います。
川沿いの階段を登れば、まあ、よい眺め。竹田駅がよく見えます。


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愛染堂の裏道を通って、立派なお墓のある区画を通れば
唐橋君山先生のお墓が見えました。


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夫が取り憑かれたのは、君山先生の顕彰碑の奥の「一対」の墓石です。


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普通のお墓と自然石のお墓が同じ囲みの中にあります。
囲みの中には「八雲會員」と銘がうたれた灯籠があります。


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もう誰もお参りする人は居ないのでしょうか。
雑木が生え、葛が絡まり、苔が生え……。


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普通の墓石の方は明治44年9月に亡くなっています。
お名前と没年月日のみ刻まれています。戒名はありません。
隣のお墓の方は、大正2年11月に亡くなられているのですが、
お名前は無く、「一睡老人墓」と書かれているだけ。
そして、歌が一首。


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夫はこの三十一文字がどうしても気になるようです。
解読が始まりました。


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変体仮名がその場ではわからないので、写真に撮って帰って調べ始めました。
夫の机の上には、「くずし字用例辞典」「くずし字解読辞典」……。

幸いきれいな仮名文字なので、歌は解読できました。


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「左をし可能ふむ音多えしや萬可希農 に者能落葉にあら禮婦類也  〇〇」

 ↓

「さをしかのふむ音たえしやまかげの にはの落葉にあられふるなり 〇〇」



三十一文字は解読できました。ただ、そのそばに書かれた〇〇が読めないのです。

「子」と「菲」なのかなあ?

これは、名前なのでしょうか。それとも?……わかりません。

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この墓石をめぐって
二人でいろんなことを想像しています。


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ふたつの墓石の人の関係は?
歌の作者はどういう人なの?
灯籠の「八雲会」とは?
「小牡(男)鹿のふむ音が絶える」という歌の意味するところは?
……などなど。
唐橋君山先生のお墓のすぐそばというのも興味深いですね。



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かつては、竹田のお城や町を眺められたであろう場所に、
並んだ墓石があって、その一つには歌がしたためられている。
さりげなく、いつ朽ちてもよいように、でも何かの「想い」が残るように……。

そんな「想い」に囚われて、まだいろいろ調べています。


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「知りたいこと・調べたいこと」に出会えるのも楽しい街歩きです。
竹田の街も奥が深い。


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……さて、過去に遡る街歩きを楽しんでいる私たちですが、
街歩きで「未来」にも出会いました。
これについては、また今度。


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ホントに竹田っておもしろいわ。



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