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お酒にまつわる話② [お酒]

今夜は日本酒にまつわる話を。


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【その1】


地酒ブームが起こったのはいつ頃だったでしょうか。
ウィキさんの説明では、1980年代に日本酒辛口ブームが起こったとか。
1990年代は、吟醸酒ブームだったらいしです。



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たぶん、その頃だったと思います。


ある日、お母ちゃんが「たまご酒」を作りました。
お母ちゃんは、たまご酒が大好きです。


たまご酒は、冷たいお酒とたまごを混ぜて、
よくかきまぜながらゆるゆる温めて作ると美味しいです。
お母ちゃんが、念を入れて作った「たまご酒」は会心のできだったらしく、
美味しい、美味しいと飲んでいました。


しかし、そのお酒は、当時の地酒ブームに乗って夫が手に入れた
とても高くて美味しい日本酒やったです。
「たまご酒」は美味しいはずです。


美味しくて高い日本酒がたまご酒に使われたことに
夫は怒りました。

「こんな良い酒をたまご酒にするなんて!」


お母ちゃんが、そんな夫に言った言葉。

「親が、美味しいと喜んで飲んでいるのだから、文句は言うな!」

返す言葉はありませんね。



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【その2】


古くからある地元の酒屋でも吟醸酒が作られるようになって、
美味しい吟醸酒が楽に手に入るようになりました。
地元の若い酒屋さんが一生懸命研究して、今や有名な酒蔵になっています。





夫が隣保班の班長をして、わが家で隣保班の飲み会がありました。

お母ちゃんが、集まった女性用に、例の「たまご酒」を作りました。
あるおばちゃんが、「美味しい、一度に飲めないから持って帰っていい?」

私は、紙コップに入れてラップをかけて持たせてあげました。
すると、他のおばちゃんたちが
「わたしも!」「わたしも!」と……。
私は配りましたがな、皆さんに。


たまご酒は、ほとんどなくなりました。


でも、もうお気づきだと思うのですが、
たまご酒に使われたお酒は、純米大吟醸やったです。


大吟醸の酒瓶、ほとんどなくなっているのに気づいた夫は、
またもや憤りましたが、後の祭り。


お母ちゃんは、夫の怒りをかわすべく、
「持って帰るとは何事か!」
と怒りの矛先を余所に向けようとしていましたが、
それは、自分の取り分が少なくなった怒りやったと思います。


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             ※今日の写真は、熊本県玉名の酒蔵の奥様からいただいたお酒。
              奥様は娘の日舞の先生でした。超美味です。




教訓を得ました。

「美味しいお酒を、たまご酒に使われるような、そんな所に置いておく方が悪い。」

それ以来、たまご酒にされたらたまらないお酒を手に入れたときは、
それは冷蔵庫の奥深くに潜め、
普通の日本酒をお母ちゃんの目にふれるところに置いて
カモフラージュしています。



あれから十数年、去年また隣保班長がめぐってきました。
今度の宴会では、普通のお酒でたまご酒を作りました。
「持って帰る」と言った人はいませんでした。





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