酒まんじゅう作り [美味しいもの]
宇和島から帰った翌日、5月3日のことである。
かねてから「まんじゅう」作りに興味を持っていた天開さんが、奥豊後の地までやってきた。
春に餅つきをしたとき、
こちらでは、米麹を使ってまんじゅうも作るという話になった。
農繁期の忙しいときにまんじゅうを作っておいて、
おやつにするのである。
「まんじゅうは店で売っている物」だと信じていた天開さんは
家で作るまんじゅうにいたく興味を示していた。
宇和島の後のロングクルージングもなくなり
じゃあ、奥豊後の食文化体験教室を開こうという話になった。
講師はうちのお母ちゃんである。
まず、「酒」を作る。
ここでわが家に何年も眠っていた「桶」が登場。
私は嫁に来てからこの「桶」を使ったのを見たことはない。
せっかくだから昔ながらの桶を復活しようというのである。
天開さんは早速緩んだ箍(たが)の修理にかり出された。
水漏れがないのを確かめて「酒」の仕込みに入る。
3日 14:00過ぎ。
前に作ったまんじゅうのカケラはカラカラに乾いている。
(※これは蒸す前のまんじゅうを次回用にとっておいたものである。)
それを砕いて水に入れる。
ご飯もお茶碗に大盛り一杯ぐらい入っている。
さらに米麹をバラバラにして入れる。
これは隣の市に古くからある麹屋製で、この辺りではどこにでも売っている。
これがぐつぐつと泡を出して「たぎる」ようになるまで待つ。
気温に左右されるから、できあがりの時間は予測不可能。
この日の作業はここまで。
5月4日。
朝、酵母様の活動はまだおとなしい。
日に当てて温度を上げてみるなど手のかかることである。
その間、夫と天開さんはまんじゅうの座布団にする「かんから」の葉っぱを探しに山へ。
私は川に洗濯に……ではなくて仕事にいく。
午後3時過ぎ。仕事から帰ると、やっと酒の香りがしていた。
しかし、ちょっと酸っぱくなるまで待って
やっとまんじゅう酒のできあがりである。
一日かかってしまった。
15:50
それを漉して、
砂糖(大さじ1)と塩(小さじ1)を入れる。厳密ではない。
小麦粉を少しずつ入れて混ぜ始める。
小麦粉をふるいながら入れていくとダマにならない。
3キログラムの小麦粉はちょっと多すぎるから、
二つに分けて夫と天開さんが力を入れてこねはじめる。
時折厳しい指導が入る。
こねて捏ねてこねて捏ねて……
やっと丸められるようになる。
16:56
お母ちゃんがちぎって、それをまだこねる。
あんこは今回は買ってきたのを使う。
あんこを入れないのも作る。あんこを入れないのをここらでは「しえまんじゅう」という。
子どもの頃、まんじゅう作りを手伝ったとき、
母が少し遊ばせてくれたのを思い出して、「王蟲」を作った。目は二つしかつけなかったけれど。
(※「風の谷のナウシカ」参照)
まんじゅうはねかせておく。
すると「じぶくれ」が始まる。発酵が進んで二酸化炭素が発生し膨らむという理屈である。
18時すぎ、いよいよ蒸しに入る。年季の入った「せいろ」の登場である。
ここで「かんから」の葉っぱを敷く。
まだ若々しい「かんから」である。「山帰来(さんきらい)」と言う名がある。
「サルトリイバラ」と言っていたのも思い出す。蔓には棘がある。
18:16
強火で30~40分蒸す。
後は温度を次第に下げていく。
急に蓋を取ってはならない。きれいに膨らんだのがへこんじゃうので。
ゆっくり待ってから蓋を取る。
19時30分 蒸し上がりである。
余ったかんからを敷いてその上に蒸し上がったまんじゅうを置いた。
見た目がきれいだからね。
大成功!!
私の王蟲も。
講師も生徒も大満足のできばえであった。
……アツアツのまんじゅうを食した天開さんの
うっとりとした表情が全てを物語っていた。
かねてから「まんじゅう」作りに興味を持っていた天開さんが、奥豊後の地までやってきた。
春に餅つきをしたとき、
こちらでは、米麹を使ってまんじゅうも作るという話になった。
農繁期の忙しいときにまんじゅうを作っておいて、
おやつにするのである。
「まんじゅうは店で売っている物」だと信じていた天開さんは
家で作るまんじゅうにいたく興味を示していた。
宇和島の後のロングクルージングもなくなり
じゃあ、奥豊後の食文化体験教室を開こうという話になった。
講師はうちのお母ちゃんである。
まず、「酒」を作る。
ここでわが家に何年も眠っていた「桶」が登場。
私は嫁に来てからこの「桶」を使ったのを見たことはない。
せっかくだから昔ながらの桶を復活しようというのである。
天開さんは早速緩んだ箍(たが)の修理にかり出された。
水漏れがないのを確かめて「酒」の仕込みに入る。
3日 14:00過ぎ。
前に作ったまんじゅうのカケラはカラカラに乾いている。
(※これは蒸す前のまんじゅうを次回用にとっておいたものである。)
それを砕いて水に入れる。
ご飯もお茶碗に大盛り一杯ぐらい入っている。
さらに米麹をバラバラにして入れる。
これは隣の市に古くからある麹屋製で、この辺りではどこにでも売っている。
これがぐつぐつと泡を出して「たぎる」ようになるまで待つ。
気温に左右されるから、できあがりの時間は予測不可能。
この日の作業はここまで。
5月4日。
朝、酵母様の活動はまだおとなしい。
日に当てて温度を上げてみるなど手のかかることである。
その間、夫と天開さんはまんじゅうの座布団にする「かんから」の葉っぱを探しに山へ。
私は川に洗濯に……ではなくて仕事にいく。
午後3時過ぎ。仕事から帰ると、やっと酒の香りがしていた。
しかし、ちょっと酸っぱくなるまで待って
やっとまんじゅう酒のできあがりである。
一日かかってしまった。
15:50
それを漉して、
砂糖(大さじ1)と塩(小さじ1)を入れる。厳密ではない。
小麦粉を少しずつ入れて混ぜ始める。
小麦粉をふるいながら入れていくとダマにならない。
3キログラムの小麦粉はちょっと多すぎるから、
二つに分けて夫と天開さんが力を入れてこねはじめる。
時折厳しい指導が入る。
こねて捏ねてこねて捏ねて……
やっと丸められるようになる。
16:56
お母ちゃんがちぎって、それをまだこねる。
あんこは今回は買ってきたのを使う。
あんこを入れないのも作る。あんこを入れないのをここらでは「しえまんじゅう」という。
子どもの頃、まんじゅう作りを手伝ったとき、
母が少し遊ばせてくれたのを思い出して、「王蟲」を作った。目は二つしかつけなかったけれど。
(※「風の谷のナウシカ」参照)
まんじゅうはねかせておく。
すると「じぶくれ」が始まる。発酵が進んで二酸化炭素が発生し膨らむという理屈である。
18時すぎ、いよいよ蒸しに入る。年季の入った「せいろ」の登場である。
ここで「かんから」の葉っぱを敷く。
まだ若々しい「かんから」である。「山帰来(さんきらい)」と言う名がある。
「サルトリイバラ」と言っていたのも思い出す。蔓には棘がある。
18:16
強火で30~40分蒸す。
後は温度を次第に下げていく。
急に蓋を取ってはならない。きれいに膨らんだのがへこんじゃうので。
ゆっくり待ってから蓋を取る。
19時30分 蒸し上がりである。
余ったかんからを敷いてその上に蒸し上がったまんじゅうを置いた。
見た目がきれいだからね。
大成功!!
私の王蟲も。
講師も生徒も大満足のできばえであった。
……アツアツのまんじゅうを食した天開さんの
うっとりとした表情が全てを物語っていた。