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大分の冬の味 だんご汁 [美味しいもの]

庭に来るスズメたちの数が増え、
「なんかくれる?」というような顔でこちらを見るようになると
奥豊後のわが家も冬を迎えます。



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畑では、ダイコン、ニンジン、カブが元気。他の冬野菜も順調。
そして、勝手に成長した里芋。
(わが家の畑はなんでイモ類が勝手にできるんだろう?)



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この里芋が美味しくなると
「だんご汁を作ろうか。」というのが
大分の一般的な(年寄りのいる)家庭ではないでしょうか。


先日、天開さんが遊びに来てくださって、
酒まんじゅう作り(三年前)の思い出話になったところで、
「じゃあ、明日のお昼ご飯にはだんご汁を……。」という話になりました。



夜のうちに、いりこだしを準備しておきます。



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翌朝です。小麦粉をこねて団子を作ります。


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お母ちゃんが師匠なんですが、
こねるのはけっこう力が必要なので、
途中から息子にバトンタッチです。

よくこねた団子を、小さい団子にしたところで、1~2時間寝かせます。



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その間に、私は野菜の準備です。



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里芋を洗うのには、これを使います。
桶に水を貯めて揺すって……土や皮がけっこう落ちて便利なんですよ。
8年前になくなった舅の作品です。ずいぶん傷んできました。



そうこうしているうちに、団子も良い状態に。
グルテンがしっかり手を繋いで伸びやすくなるのです。



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いりこの出汁がたっぷり入った鍋に、
里芋、ニンジン、しいたけ、ダイコンの間引いたの、油揚げを投入。



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野菜が煮えたところで、お母ちゃん、出番ですぞ。



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『 昭和26年、19歳で、サラリーマンの家から農家に嫁いだ。
 「今晩は何をしますか?」とお姑さんに聞くと、
 「粉を〇合 こねて……。」と返事が返ってくる。
 これが毎晩毎晩。毎晩メニューはだんご汁。
 実家に帰ったときに母親にそれを伝えたら、
 「農家はそんなもの。」と言われた。 』


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毎晩毎晩だんご汁を作らされたわけだから、
身体はちゃんと覚えていて、
団子を伸ばすのは上手いですよ。さすがです。



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団子を伸ばしたのを鍋に入れながら、
上記の『 』の部分を10回くらい繰り返すのだけど、
その度 天開さんは、
「ほお~、それはたいしたものですねえ!うまいですねえ!」
と相づちを打ちながら誉めてくださるから、
お母ちゃんも気合いもが入ったことでしょう。



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団子が煮えて、味噌で味付けして、ネギを最後に入れたらできあがり。
大分の冬の味が完成です。



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天開さんが喜んで食べてくださるから、
お母ちゃんも幸せな気持ちになったみたいです。
確かに、だんご汁は、よそで食べることはまずありません。



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……今でこそ「よし、今日はだんご汁!」なんて言いますが、
夫も私も子どもの頃は
「今日の晩ご飯 何?」と聞いて、「だんご汁。」と言われると
軽い失望感を覚えたものでした。



だんご汁が美味しいと感じるようになって、
「ああ冬が来たなあ。」と思うと同時に
「年とったなあ……。」とも思うのでありました。



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