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佐伯市長杯クルーザーレース2012その⑦続・笑うしかない記念レース [ヨット]

他の艇に置いていかれ、全く動けないという膠着状態の中。
「ビールを飲もう。」という夫の提案に私は驚いてしまった。
これまでレース途中に「飲もうか。」なんてことは一度もなかったから。

確かにクーラーボックスには氷がたくさん入れてあって、
キンキンに冷えたビールが準備されている。

「賛成。」  私も開き直ることにした。


……ところが、呪縛を解くための「御神酒」になったかもしれない。


私がコップ一杯も空けきらないところで、風が吹き始めた。
それもいい風が。
昨年のゴール前、すごく時間がかかった小さな島の横をさらりと通り過ぎ、
船の向きを変えると風は追い風に変わった。

さすがにスピンは揚げられなかったが、
御神酒のせいで怖いもの知らずになっていた私は、
鼻歌交じりにジブを緩めたり引いたりしていたのだ!
(もちろん、背後から指示は出ていたが……)


少しずつ追いついているような気がした。こうなるとまた、闘志がわいてくる。


        P7153593.jpg
前を行く船団がゴール前の島影に入っていく。
CHIHAYAも遅れて入っていく。
そこは、陸と島との間が狭くなった水道になっている。

その水道に、あれ?
みんな、まだ、いるよ。
何?船の向きが変。……そう言っているうちに、プロローグで書いた状況になったのである。
風が回り、ジブが右に左にと変わった場所。
皆さんも苦労されていたのだ。

タックなのかジャイブなのか、
ジグザグ走行してジブシートを右、次は左と引っ張り続けた。

指示を飛ばしながら(怒らないように)、舵をとるのは大変だったろう。
N浦さん、Eさん、Kさん、「湯けむり」のときは、絶対絶対来てくださいね!!

ゴール後、ヘルムを交代し帆を下ろしていると
「天開圖畫樓」に乗っていたN井さんが
大きな声で、浅瀬があることを注意してくださった。
わたしがよろよろと船を進ませていることを心配してくださったのだろう。
それほどにくたくたで
別府に進路を向けた後も、しばらく頭も体も働かなかった。