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岡城は「奥が深い」。   竹田市「岡城跡」⑳ [お城(跡)歩き]

「つきあいきれんわ!」
と、怒りが沸騰することもあります。

1月16日の岡城跡歩きです。

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この日、夫は滑瀬(ぬめりぜ)坂近辺の武家屋敷跡に夢中になったのでした。
石垣下の道からさらに岡城のずっと下の大野川沿いまで下りて
そこから今は藪と雑木林になっている南斜面で
旧道と屋敷跡の痕跡を探したかったのでした。


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由学館のジオラマで見るとこのあたり。
私たちの遠い祖先がいたあたりなんだとか。


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スマホで、武家屋敷跡の地図を確認しています。川向こうは国道502号。

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私は、藪が嫌い。
前にも書きましたが、ツツガムシが怖いから。


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夫は好奇心に駆られるとずいずい藪の中を進む……。


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川岸にポツンと座って夫を待ちますが、帰って来ない。


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少し追いかけて、藪の中に向かって声を掛けるけど返事もなし。
対岸の国道から見たら、
オバチャンが一人でウロウロしている……と、変な目で見られそう。


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ぷちっと切れる音がして、
スマホを取り出して夫を呼び出すと、
「私はもう先に上がるからっ!」





藪の中を動き回って何やら確認してきた夫は、
「ごめん、ごめん。」


滑り瀬坂を登り、岡城の石垣下の道から下原門へ向かいますが、
道らしきものがあるとまた入っていく……。


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また、ポツンと待ってるわけだけど、
お腹も空いていた私は、だんだん不機嫌に……。


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「道があって、廃屋があったよ。」との報告にも
心の中で、
「もう、つきあいきれんわ!」


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下原門から岡城跡に上がって東中仕切のあたりでお昼ご飯を食べたところで、
ちょっと不機嫌が治りました。


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で、城内をぶらぶら歩いて、近戸門から下りていたところで、
「願成院跡に行こう。」


え~、やはり行くのか。
家を出るとき、そんなことを言っていたけれど、
私はあまり気が乗らなくて返事はしなかったんだけどな。



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近戸門から七曲がりを下っていく途中に、
こんな案内板があって、あまり人の行きそうにない道があるのです。
道の奥は見えません。
下の写真(夏に撮った写真)の奥です。


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この先は愛宕山と言って、「この一帯は築城時代から元禄時代にかけて、願成院や愛宕社ほか密教寺院が六社ほど建立されていた神仏習合時代の聖域」だったそうです。
(竹田市広報2019年12月号より)




城の北側の稲葉川沿い、碧雲寺界隈を歩くとき、
愛宕山の遺構であろうことは想像できていました。
何か石垣のようなものが見えていましたから。


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現在、七曲がりの途中にある道の入り口は
草が刈られることもなく、やれ茎が風になびいています。
ちょっと何があるのかわからない道です。
「冬じゃないと行けないよ。奥には立派な道があるんだよ。」
以前、私は入り口で待っていて、夫はちょっとだけ入っていったことがあるのでした。


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しかたない……ついていきます。
「線彫磨崖仏」というのも気になります。


で、びっくりしました。
「岡城の北の斜面に、こんな道があるなんて!!!」


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広いし、城内と同じような石が敷いてあるし、石垣もある。
ずっと奥まで続いているこの道は、けっこう立派なのです。
蒲鉾石もあり、なるほど「聖地」だったとうなずける痕跡です。
殿様も祈願のために通ったことでしょう。


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岡城って、「奥が深い~!!」


さっきまでの不機嫌やツツガムシへの恐怖はどこへやら、
一緒に道の痕跡をたどる始末です。



林の切れ間から南の方に本丸が見えました。


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ただ、ここはもう岡城の案内図には載っていない道。
由学館のジオラマでこの道を確認することができます。


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愛宕山に向かう道は、「案内図には載せられない道」と言ってもよいでしょう。
観光ではお薦めできません。


まず、落石の危険性。
足場も傷んでいて、崩れるかも知れない。
夏はマムシ、冬はツツガムシなどのダニに遭遇する危険性。
イノシシにも遭うかも知れない。
整備されてないから滑落の危険性もある。


私たちは、それでも昔の痕跡を求めて「自己責任」で歩いてきました。


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この日の帰り道



では、「線彫磨崖仏」は……というと、
これがなかなかお目にかかれなくて……続きはまた今度。


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この日、家に急いで帰ると、急いでお風呂の準備をして、
最後は洗濯までやって、すべてきちんと洗い流したのでした。


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